Lotus Notes(ロータスノーツ)というグループウェアをご存知だろうか。いくつかの企業を渡り歩いてきたビジネスマンなら、使ったことがある、もしくは現在使っている方もいるのではないだろうか。
多くの企業の基幹システムを担ってきた、グループウェアのパイオニア的存在であるLotus Notes。その歴史をたどると、インターネット誕生のはるか前、パソコンすら普及する前の1989年に誕生している。当時、多くの企業に導入されたLotus Notesは、グループウェアという市場を確立しその中でも大きなシェアを誇るブランドを築き上げた。
時は流れ、インターネットの誕生、クラウドサービスの登場により、いつしか「レガシー」なグループウェアというレッテルを貼られてしまったNotesだったが、今年リリースされた最新バージョン「IBM Notes/Domino 9.0 Social Edition」では、そのレッテルを見事に覆す評価を得ている。
■Notesマイグレーションは、移行マインドからバージョンアップマインドへと変化
この最新バージョンリリースを機に、Notesマイグレーションを他製品への移行ではなくNotesのバージョンアップで再検討している企業が増えている。しかし、同じブランドの製品とはいえ、バージョンアップでの互換性について不安を持つ企業が多いのも事実だ。
今回、IBMが主催している、Lotus Notes導入企業を対象としたイベント「テクてくLotus 技術者夜会」に潜入し、11月末より同社が開催する「IBM Notes/Domino 9 バージョンアップ・セミナー」に登壇する講師の皆さんにインタビューを敢行。現在多くの企業が抱えている、課題に対応するバージョンアップ・セミナーの内容、そしてセミナーに対する意気込みを語っていただいた。
■IBM Notes/Domino 9 バージョンアップ・セミナー直前インタビュー
今回お話を伺ったのは、年内全国5都市(東京、大阪、名古屋、松本、新潟)で開催される「IBM Notes/Domino 9 バージョンアップ・セミナー」に登壇するIBMの社員の方たちである。和気あいあいとした雰囲気の中、ひとつひとつ分かりやすくインタビューにお答えいただいた。
―まず、今回開催されるバージョンアップ・セミナーの趣旨を教えていただけますでしょうか?
松浦さん:
今年の4月に「IBM Notes/Domino 9.0 Social Edition」がリリースされましたが、「9.0.1」の日本語版がもうすぐリリースされる予定です。最新バージョンに興味を持っているお客様に、安全かつ効率的にバージョンアップいただくためのノウハウやツールのご紹介を中心としたセッションを行う予定です。
現在は、Lotus Notes/Domino 7~8.5をご利用されているお客様が多いのですが、バージョンアップの際の互換性も心配なく安心してバージョンアップいただけることをお伝えしたいと思っています。
―バージョンアップを検討している企業はさまざまな課題を持っていると思いますが、具体的にどのような課題に対応した内容となっているのでしょうか。
松浦さん:
最近よくご相談いただくのは、Windows XPのサポート終了に伴い、パソコンの環境をWindows 7、8へ変えなければならないという企業様が、それに紐づいてNotes Dominoのバージョンアップを検討されているケースです。
今回のセミナーでは、単なる老朽化対策だけではなく、モバイル活用なども盛り込んだ価値のあるバージョンアップを行っていただくための具体的なノウハウをご紹介させていただきます。
また、実際にバージョンアップをすることは決まっているけども、どういうことをやればいいのか、互換性は大丈夫なのか、といった不安を持たれている技術者の方も多いので、バージョンアップの手順やバージョンアップ前の準備についても詳細にお伝えさせていただきます。
青木さん:
新機能であるNotes Browser Plug-in(以降、ブラウザ・プラグイン)などに興味のある(スキルを身に付けたい)方にも充実した情報をお届けできると思います。
―なるほど、より具体的で実践的な内容となっているのですね。それぞれご担当されるセッションの内容を少しご紹介いただけますか?
ジンさん:
私の方では、効率よくデータベースの整理をしてくれる「DBMT(データベースメンテナンスツール)」という新しく出た管理者向けツールのご紹介をさせていただきます。
データベースは修復や圧縮などの定期的に行うタスクがありますが、このツールを使うことで今まで管理者が手動で行っていた作業の自動化が出来るようになります。簡単に言うとアプリケーションのメンテナンスを自動化する便利機能となっています。
また「移行判定ツール」という、アプリケーションの非互換を探し修正を支援するツールのご紹介を行います。こちらはデモをまじえてご紹介する予定です。
青木さん:
私は新機能であるブラウザ・プラグインのご紹介をさせていただきます。ブラウザ・プラグインというのは、いつも使っているNotesをWEB化(WEB用に開発すること)することなくWEBブラウザでNotesが使えるようになる便利なプラグインです。
旧バージョンからの互換性も高いのが特徴です。このプラグインを使うにあたっての考慮点や移行のポイントなどもご紹介させていただきます。
松浦さん:
その他、バージョンアップのために役立つ情報を具体的にご紹介させていただく予定です。実際に移行作業を行う技術者の方への情報提供や、他社で実績のある上申ネタなどバージョンアップを検討されている方を元気づけるような内容になります。セミナーの冒頭では、モバイル活用や社内ソーシャルなど皆さん関心のある点についてもお話をさせて頂く予定です。
■Notesのバージョンアップの不安を解決する
今回潜入したイベント「テクてくLotus技術者夜会」では、バージョンアップ・セミナーの内容をピックアップした特別企画となっていた。セッション後のQAでは、参加者からの活発な質問が出ていた。ここで出た質問や意見はバージョンアップ・セミナーの内容に反映されるのだそうだ。
現在、多くの企業が抱える課題に答えるべく、IBMが力を入れて取り組んでいることを今回のインタビューで改めて実感した。
バージョンアップを検討中の企業やすでにバージョンアップが決定している企業は、ぜひこのセミナーに参加してみてはいかがだろうか。
会場では、セッションの内容に限らずバージョンアップに関するよろず相談を受け付けているとのこと。「お気軽にご参加いただきたいです」と講師の面々が笑顔で語っていた。(写真:冨永晋)
■関連セミナー情報
*IBM Notes/Domino 9 バージョンアップ・セミナー
─全国5都市「東京・大阪・名古屋・松本・新潟」にて開催─
セミナーは全て参加無料(事前登録が必要です)。各開催の概要とお申込みは以下より。
2013年11月27日(水) 東京
http://ibm.com/software/jp/lotus/events/nd9up.html#about6
2013年12月3日(火) 新潟
http://ibm.com/software/jp/lotus/events/nd9up.html#about1
2013年12月6日(金) 松本
http://ibm.com/software/jp/lotus/events/nd9up.html#about2
2013年12月9日(月) 大阪
http://ibm.com/software/jp/lotus/events/nd9up.html#about3
2013年12月10日(火) 名古屋
http://ibm.com/software/jp/lotus/events/nd9up.html#about4
*テクてく Lotus 技術者夜会
毎月第三金曜日の業後にLotus(IBM Collaboration Solutions)の技術を学びたい方を対象として開催されているアットホームな勉強会。最新情報は、以下ページより。
http://www.ibm.com/developerworks/jp/offers/events/techtech01/
■【講師プロフィール】
日本アイ・ビー・エム(株) ソフトウェア事業 Collaboration Solutions事業部 第一テクニカルセールス 部長 松浦光さん
日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング(株)中林真希さん
日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング(株)青木悟大さん
日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング(株)ジンニエイ ウーさん