好きなホストを独り占めしたい、暴力を振るわれた男に復讐をしたい、好きな女の奴隷になりたい、自分の力を試してみたい …… 人間の欲望のままに相手を無条件で支配してしまうことが可能な世界があったとしたら?
『デスノート』『王様ゲーム』『リアル鬼ごっこ』、そんな類のサバイバルゲームを彷彿とさせる『奴隷区 僕と23人の奴隷』は、ケータイ小説投稿コミュニティ「E★エブリスタ」で岡田伸一(あれぁれぁ)が連載し、1660万閲覧という圧倒的な人気を博した作品だ。現在、双葉社より文庫判が第3巻、コミック版(漫画:オオイシヒロト)が第5巻まで刊行されており、コミック版は既に150万部を突破。
そして6月28日(土)からは、秋元才加と本郷奏多のダブル主演で、映画『奴隷区 僕と23人の奴隷』が公開となる。
『奴隷区』のルールはシンプルで、他人を奴隷にできる器具「SCM(エスシーエム)」をお互い歯の裏に装着して勝負を行い、相手に勝てば奴隷にすることができるというもの。
物語はこうだ。偶然にもSCMを手にした24人の主人公が、欲望や復讐のためにサバイバルゲームを始める。知的な好青年・大田ユウガと、人付き合いはうまいがどこか冷めている荒川エイアをはじめとして、No.1ホスト、サラリーマン、キャバ嬢、女装男子、小学生、果ては犬まで欲望や復讐など様々な思惑を持つキャラクターが登場し、勝負の方法はタイマンからバトルロイヤルまで、また内容も殴り合いから頭脳ゲームまでと多彩な攻防戦が繰り広げられる。
1話につき1人の人物にクローズアップしており、登場人物が多いにも関わらず各々の背景や心情がしっかりと描かれているので、ぐいぐいと引き込まれていく。奴隷が指示される内容は、時には人間の欲望がむき出しでエグイものもあるが、それでも続きが気になって一気に読み進めることになるだろう。果たして全ての勝負を制する者は誰なのか?それとも…!?
コミック版は絵柄がキレイで女性にも読みやすく、有楽町マルイのTSUTAYAでもOLを中心に売れ行きが好調とのこと。また、前述したようなサバイバルゲームとは大きく異なり、著者のこだわりとして、決して死人が出ないというのも多くの女性に受け入れられやすい要素となっているのかもしれない(ただし、死よりもツライ苦しみというものもあるのかもしれない)。
なお、映画版の監督は『殺し屋1(脚本)』や、『東京ゾンビ(脚本・監督)』を手掛ける佐藤佐吉。オープニングとエンディングは、ビジュアル系バンドのNIGHTMARE(ナイトメア)が担当。“奴隷”となる面々は、斎藤洋介、鳥居みゆき、かもめんたるといった顔ぶれで、原作とは異なる展開を見せる。
双葉社のwebサイトでは、文庫判およびコミック版の第一話が立ち読み可能。まずは『奴隷区』ワールドを覗いて見ては?
『奴隷区 僕と23人の奴隷』
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-84171-8.html
双葉社
http://www.futabasha.co.jp/
映画『奴隷区 僕と23人の奴隷』
http://www.doreiku-movie.com/