池田理代子先生の『ベルサイユのばら』、いがらしゆみこ先生の『キャンディ・キャンディ』、大和和紀先生の『はいからさんが通る』、里中満智子先生の『アリエスの乙女たち』などなど、数え上げればきりがない記憶に残る少女漫画たち。これらを含め1970年代に発表された作品は、なんと1000タイトルをはるかに超えるとされている。
この少女漫画黄金期を彩った作品群から118作品をアーカイブした保存版の1冊が、双葉社スーパームック『完全保存版 大好きだった少女マンガ 70年代篇』だ。7月の発売以来クチコミを中心に人気に火が付き、現在も増刷を重ねている。
本書は大きく分けて2部構成となっており、前半では人気作品をピックアップしてファン 目線の解説と名シーンを紹介。『ベルサイユのばら』は誰もが夢中になった3人の主人公が織りなす魅惑のラブストーリーを、『はいからさんが通る』は紅緒の酒乱伝説を、『アリエスの乙女たち』は各キャラクターが考える「愛」のカタチについて、『ガラスの仮面』は世紀の2大女優、マヤと亜弓の名勝負を振り返る。また、『王家の紋章』でメンフィスが「キャロル!」と叫ぶ回数といったカルトな情報もあり、ファンなら当時の感動が鮮明によみがえるはず。
さらに、いがらしゆみこ先生の特別インタビューでは、デビューのきっかけから少女マンガを描くモチベーションなどを紹介。『メイミー・エンジェル』の人気キャラクター、アルマンにまつわる秘話も掲載されているので、こちらも必見だ。
そして本書の後半は、代表的な作家103人を作品とともに紹介するアーカイブ集「70年代の名作!もう一度読みたい!少女マンガ作家&作品ガイド」である。
掲載データは作家名の50音順に紹介され、ロマンチック度・キラキラ度・イケメン度・ギャグ度などの属性別に5段階で評価。全ての作品を熟知した上級者ならば、記憶の再確認をするのも楽しいハズ。読んだ事が無い作家データを発見した時は、作品の属性と評価をチェックしてみよう。その評価が自分の好きな作品と似ていたら、まだ巡り合っていない名作と運命的な出会いを果たせるかも?
また、巻末には東京・神田神保町の少女マンガ専門の古書店「くだん書房」店長のインタビューも収録されている。通常の書店やネットでは入手できない絶版少女マンガを探したいなら、相談してみるのもいいかも。
双葉社スーパームック『完全保存版 大好きだった少女マンガ 70年代篇』の価格は1380円(税別)。現在は全国の書店ほかAmazonなどでも発売中。なお、現在は『80年代篇』を企画しており、既に読者からも多数の問い合わせがあるというので、こちらも楽しみに待ちたい。
完全保存版 大好きだった少女マンガ 70年代篇
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-45460-4.html