ピンと大きく広げたヒレに黒い模様。渋い体色ながら可愛らしいフォルムを持つこの魚、名前を「トゲナガイサキ」と言う。背の高いシマイサキやコトヒキのようにも見えるが、実は1科1属1種の珍種で、国内においては下田海中水族館が唯一の飼育展示個体と思われる種類なのだ。
一般にトゲナガイサキは南日本以南の水深100~200メートル前後の深海に生息するとされ、ごく稀に底引き網で水揚げされる。もともと数が少なく、魚屋の店頭で見かけることは無いものの、刺身や塩焼きにして非常に美味なのだとか。
一方では浅い海に棲むイシダイ釣りの外道という情報もあり、幼魚はたびたびダイバーに目撃されている。要するに良くわかっていない種類なのである。
下田海中水族館の公式Facebookページによれば、状態は非常に良いので長期の展示が期待できるとのこと。イルカとのふれあい体験が人気の同水族館だが、水族館好きを公言するフリークならば国内で唯一の飼育展示となる珍魚をお見逃しなく!
下田海中水族館
http://shimoda-aquarium.com/
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