日本を代表するロボットヒーローといえば、やはり鉄腕アトムだろう。その後も数々のロボットがマンガやアニメから誕生したが、主題歌とともに日本一有名で日本発のロボットといえば、やはりアトムなのだ。
「鉄腕アトム」は1951年から連載がはじまった。作者の手塚治虫は、半世紀以上も前にアトムを生み出していたというのだから驚きだ。
さらに「鉄腕アトム」は、国産初のテレビアニメでもある。1963年にモノクロのテレビの中を飛び回っていたアトムは、1980年にカラー版として復活。このアニメを見ていた子どもがロボット工学学者になることも多く、今現在の日本のロボット開発に大きく関わっているのだ。
そしてそれが徐々に現実の社会にも登場しはじめ、最近では、世界初の感情認識パーソナルロボットPepper(ペッパー)や、人気の女装コラムニスト、マツコ・デラックスのアンドロイド、マツコロイドなどが開発され、ロボットは段々人間に近づいている。
そんな手塚治虫の生み出したロボットヒーローの物語をまとめて読めるようにしたのが、三栄書房から発売となった『激闘!ロボットヒーロー』だ。「鉄腕アトム」「マグマ大使」「ゴブリン公爵」の3タイトルから、4作品を掲載している。
その中で特筆すべきは、浦沢直樹がリメイクして話題になった「PLUTO」の原作「地上最大のロボット」と、アトムとマグマ大使のダブルヒーローがガロンと対戦している「アトムvsガロン」と「マグマ大使vsブラックガロン」である。
あえて「魔神ガロン」の一編を掲載するのではなく、他の作品に登場したガロンの物語を扱っているのが面白い。懐かしい手塚治虫の名作が、どれも読みごたえたっぷりボリュームで掲載されているので、この機会に是非一読していただきたい一冊だ。
三栄書房の手塚治虫セレクション『激闘!ロボットヒーロー』は価格537円(税別)。8月19日(水)より全国のコンビニエンスストアで発売中。
手塚治虫セレクション ロボットヒーロー
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