『デビルマン』といえば、永井豪の代表作であり、漫画史に残る不朽の名作である。そして1970年代、日本の少年少女に衝撃を与え、漫画に革命を起こし、現在もポップカルチャーに影響を与え続ける作品でもある。
またアニメ版の『デビルマン』も人気が高く、若い世代の人は内容は知らなくても主題歌だけ知っているという人も多いだろう。漫画版はアニメ版と違い、バイオレンスに満ち溢れた悪魔的で猟奇的、衝撃的な問題作といえる。
現在活躍する有名なクリエイターには少年期に衝撃を受け、自身の作品にその影響が現れていることを公言している方も多い。たとえば、『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督や『寄生獣』の漫画家・岩明均もインタビューや記事などでその影響を認めているほどだ。
これまでアニメ版を解説したムックは多くあったが、漫画の『デビルマン』を中心として解説したものは少ない。
10月8日に三栄書房から発売となった『デビルマン大解剖』は、『デビルマン』の衝撃の最終回の原画が掲載されているほか、カラーイラストも満載。
特に『デビルマン』の連載終了後の作品、『デビルマンレディー』や『激マン!』で登場したデビルマンのカラーイラストまで紹介されているのは珍しい。
またファンの中では有名な話だが、『デビルマン』にはいくつもの続編、関連作品が存在している。それらの作品を原作と比較、分析し、その内容にも触れるなど、原作以外のデビルマンについても紹介されているのは特長的。これほど漫画版の『デビルマン』を俯瞰で紹介したムックはかつてなかっただろう。
そのほかにも、世界的に実力を認められたイラストレーターであり漫画家の寺田克也氏や、スピンオフ作品『AMON デビルマン黙示録』を描いた漫画家・衣谷遊氏のインタビュー、日本唯一のオカルト月刊誌『ムー』の三上丈晴氏によるデビルマン・オカルト論など、さまざまな視点で『デビルマン』の魅力を紹介しており、見どころ満載の一冊となっている。
ちなみに日本漫画界の巨匠、石ノ森章太郎と永井豪という全世界に影響を与えた2人の代表作「サイボーグ009」と「デビルマン」がまさかのコラボレーションをした映像作品『サイボーグ009VSデビルマン』のBlu-rayやDVDが発売決定している。
三栄書房の大解剖シリーズでは以前『サイボーグ009大解剖』も発売されているので、あわせてご覧になってはいかがだろうか(詳細は公式サイトを参照のこと)。
三栄書房ではこれまでも“大解剖シリーズ”として、『ブラック・ジャック大解剖』『あしたのジョー大解剖』『北斗の拳大解剖』『コブラ大解剖』『銀河鉄道999大解剖』などを発行。また人気の野球マンガを研究した『野球マンガ大解剖』もある。
三栄書房『デビルマン大解剖』は価格907円(税別)で10月8日より全国書店で発売中。