白鳥と言うと寒い場所で見ると言うイメージがあるが、読者の皆さんはどうだろうか？白鳥は、冬になると極東シベリアからやってくる渡り鳥で、シベリアでは冬になると餌場が凍ってしまうため餌を求めて暖かい日本へ飛来してくるのだそうだ。
関東では、茨城県水戸市にある千波湖、群馬県高崎市の鏑川白鳥飛来地、千葉県印西市の本埜白鳥の里、埼玉県川島町の白鳥飛来地・・・など、数多くの飛来地があり優雅な白鳥を見る事ができる。
今回紹介するのは、埼玉県の中央部に位置する比企郡川島町を流れる越辺川（おっぺがわ）と飯盛川が合流する地点に白鳥の飛来地（越辺川コハクチョウ飛来地）がある。埼玉県に白鳥の飛来地？白鳥が飛来するのは大きな湖だと、ばかり思っていた筆者は白鳥を見たさに早々、出かけてみた。
白鳥は世界中で6種類おり、日本で越冬するのはオオハクチョウとコハクチョウの2種類で、ここに飛来してくるのはコハクチョウだという。
この日の気温 マイナス3.5°。明け方の寒い中、越辺川に行って見ると白鳥の優雅な姿を見に来た人達や、飛び立つ姿を撮影しようとしているカメラマンさん達が大勢来ていた。
越辺川のコハクチョウは、例年11月頃から飛来し始め、1月から2月頃にかけて多くの白鳥たちを見る事ができる。多い時には、過去250羽あまりのコハクチョウ達が飛来したという。
川島町の白鳥飛来地では白鳥たちとの距離がとても近く、目の前で飛び立つ瞬間を見ることができる。さらに、この白鳥達に触れることができるほどの間近で見られるので、もう即座に虜になってしまいそうだ。
目の前で羽ばたく白鳥
越辺川にいる白鳥は、夜は川辺で眠り、朝から付近の田んぼや畑などの農地へ行ってエサを探して食べているそうだ。朝方にエサを求めて飛び立ち、夕方になるとまた川に戻ってくるが、日中に行っても白鳥には会えないのでご注意を。 飛び立つ時間もその日によって、まちまちだから行って即座に見られるという訳ではないから、心して出かけよう。
エサを食べに行く合図なのか、飛び立つ時にグループリーダーのような白鳥が他の白鳥達に声を掛け合いながら羽ばたいて飛び立つ姿は、表現ができないほどの感動モノだ。これらのグループが順々に編隊を組み飛び立つ行為は、他の飛来地では見かける事がなく珍しいのだそうだ。
白鳥を守るために地元でボランティア活動をしている「越辺川白鳥を守る会」会長の加藤さんに話を聞くと、「ここ最近、農地の野焼きや整地などの時期が早くなり、田畑を焼かれたり掘り起こされたりでエサが取れなく、今期はまだ1回だけだけどエサを食べに、飛び立たたない日もあったと言う。ここでは、白鳥さんも自然のままなので田畑などへエサ食べに行って危険な目にあったりすると戻って来てしまったりします。白鳥さんも命がけですけどね」と語ってくれた。
また、白鳥の写真を撮りにご夫婦で来ていたアマチュアカメラマンの齋藤さんは、「白鳥が飛来するスーズン中は、ほぼ毎日、撮影に来ているけど、その日の条件によって良い写真が撮れたり撮れなかったり。納得のいく写真が撮れた時はホントに嬉しいものですよ。健康も兼ねて家内と早起きして越辺川に来ています」と言う。
斉藤さんが川島町 白鳥飛来に撮影に来るようになってから9年。埼玉読売写真クラブに所属しており、2022年の年間最優秀賞を受賞したほどのハイアマチュア カメラマンだ。
川島町白鳥飛来地へのアクセスは、圏央道「川島IC」から車で10分程度。河原の手前には無料駐車場やトイレもあるので安心だ。
但し、白鳥は野生の鳥なので観察には注意が必要だ。警戒心が強いので静かに見ることが大切、大声を出さない、カメラのストロボ、ペット連れての観察、もちろん餌やりも控えよう。駐車場入り口付近に「越辺川白鳥を守る会からのお願い文」が掲出してあるので、注意喚起文として一度読んでみるのも良いだろう。
来年以降も白鳥に、ここへ来てもらえるよう、1人1人がマナーを守って観察しよう。また、河原の水辺なので、寒さ対策はしっかりとしてくること。
できれば、双眼鏡を持ってくると白鳥の動きをつぶさに観察できて、楽しさが倍増すること請け合いだ。スマホの動画モードで飛び立つシーンをスローで撮ってみると映画の1シーンを見ているようで面白いぞ。
関東には、他にも白鳥の飛来地が沢山ある。埼玉県では、「深谷市 川本の白鳥飛来地」。千葉県では、関東屈指の飛来地である「本埜白鳥の郷」。群馬県には「鏑川白鳥飛来地」や「多々良沼」。茨城県の「千波湖・大塚池・弁天池」・・など、多数飛来地があるので白鳥がシベリアへ帰ってしまう前に、早起きして一度は見ておこう。 出かける前には、必ず下記の公式HPや紹介HPなどをチェックしてから出かけること。
Photo＆Report ＠JTPA Ohtsuka
◆埼玉県 川島町白鳥飛来地
住所：〒350-0151 埼玉県比企郡川島町八幡５丁目１０−１３地先
アクセス：圏央道「川島IC」から車で10分程度
HP：https://www.town.kawajima.saitama.jp/1821.htm
◆埼玉県 川本・白鳥飛来地
住所：〒369-1108 埼玉県深谷市本田地内（旧川本町）
アクセス：関越道 花園IC下車
HP：https://www.ne.jp/asahi/ji1jci/kuromiya/tabi/kawamoto-h.html
http://www.city.fukaya.saitama.jp/kanko/kanko/other/1391646768205.html
◆千葉県 本埜白鳥の郷
住所：千葉県印西市笠神
アクセス：JR成田線小林駅下車、徒歩約40分（3.5km）
HP：いんざいパルケ https://inzaiparque.com/inzai-trip-motonoswan/
◆群馬県 鏑川白鳥飛来地
住所：〒370-1212 群馬県高崎市木部町
HP： https://tripnote.jp/gunma/place-kabura-river-swan-landing-site
鏑川白鳥を守る会：http://citizen8823.livedoor.blog/
◆群馬県 館林市 白鳥飛来地 多々良沼公園
住所：〒374-0076 群馬県館林市日向町
アクセス：東北自動車道館林インターから約10分
HP：https://tataranuma.com/seasons/
https://www.city.tatebayashi.gunma.jp/s025/kanko/020/070/020/20200104065000.html
◆茨城県千波湖・大塚池・弁天池（水戸市内）他
茨城県の白鳥飛来地
HP：https://www.ibarakiguide.jp/matome/swan.html
◆埼玉読売写真クラブ（YPC）
HP：http://www.saitama-ypc.com/
