日本国内には写真文化を普及する写真ギャラリーが数多く存在し、毎日どこかのギャラリーで写真展が開催されている。
有名所では、メーカー系で六本木にあるFujiフォトギャラリーや品川・銀座のキャノン ギャラリー、新宿のニコンサロン/THE GALLERY、 OMシステムギャラリー、銀座のソニーイメージングギャラリー銀座、LUMIX THE MASTERS GALLERYなど大手のギャラリーが都内にひしめき合っており、これらのギャラリーで写真家の想いや主張を感じ取ることができる。
そうした数多くの写真展の中から、社会的な問題に着目した写真展「蒼穹(そうきゅう)」を紹介しよう。
これは写真家「佐藤 均」さんが、東京都中央区銀座にある「CO-CO PHOTO SALON(ココフォロサロン)」で2024年2月21日(水)~2月29日(木)の間、開催する写真展だ。 佐藤氏は、新聞社の報道カメラマンとして数々の報道写真を撮っており、社会問題に常に目を光らせている。新聞社を退社後、フリーランスとなり社会問題を考えさせる作品やアーティスティックな作品を世に送り出している 。
今回の写真展では、東北の自然をテーマにした雄大な写真と北海道の大自然の中のタンチョウヅルの写真、計19点の作品で構成されている。
東北の写真は、北海道へ向かう飛行機から撮影した冠雪している磐梯山だ。この自然の写真を見る限り綺麗で美しいと思えるが、この磐梯山の東方には、2011年東日本大震災で多数の市町村が地震・津波・原子力発電所の事故により多大な被災を受け、現在でも309㎢もの帰還困難地域が存在している。
佐藤氏は、「綺麗なだけで無く、現実を見据えてもっと多くの人たちに3.11はまだ終息を迎えていないことを認識して欲しくてこの写真展を企画した」という。
さらに「北海道鶴居村での丹頂と羽田空港からの旅客機の中から撮影を進めている時の心の置き方と、撮影後に改めて見直した時の写真に対する意識の変化をこれら作品の中から、感じ取ってもらえると嬉しいです」と語ってくれた。
もう一方のタンチョウヅルの作品では、タンチョウヅルは渡り鳥というイメージがあるが北海道のタンチョウヅルは、道内で繁殖し暮らしている特殊な例だそうだ。
写真展では、そのタンチョウヅルをテーマにアーティスティックな作品を中心に展示され、保護活動により個体数が回復している美しいタンチョウヅルを見て欲しいという事だ。
タンチョウヅルは、明治時期の乱獲に続き戦後の混乱期に絶滅が危惧されたが、釧路湿原でわずかなタンチョウヅルが発見され、冬期にトウモロコシなどの給餌による保護活動によって回復しており現在では1500羽を超すほどまでに増えている。
タンチョウヅルに興味を持っている人は、冬期だけでなくタンチョウヅルを見る事ができる施設があるので観察にで出かけたらどうだろうか?
釧路空港から近いため多くの観光客がタンチョウヅルの優雅な舞を見にきているそうだ。
■鶴見台
釧路湿原にある阿寒郡鶴居村にある鶴見台だ。ここは、タンチョウの越冬地となる給餌場の一つで180羽ほどの野生のタンチョウを見る事ができる。
■鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
鶴居村には鶴見台の他に、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリがあり10haもの広大な草地に最大で300羽近くのタンチョウが飛来し、9:00と14:00の1日2回給餌活動が行われている。サンクチュアリ内には、日本野鳥の会が運営するネイチャーセンターがあり、ボランティさんやレンジャー達からタンチョウの生態について詳しい話を聞く事ができる。
■タンチョウ観察センター
このタンチョウ観察センター前に広がる給餌場には、野生のタンチョウが150羽~300羽ほど飛来する。
■釧路市丹頂鶴自然公園
ここには十数羽のタンチョウがおり、1年中いつでもタンチョウに会うことができる。
この自然公園はタンチョウの保護と増殖を目的につくられているのだそうだ。
■阿寒国際ツルセンター グルス
「阿寒国際ツルセンター グルス」は1年中オープンしており、屋内の「野外飼育場」ではタンチョウとマナズヅルが飼育されており、自然に近い形でいつでもタンチョウを観察することができる。
■写真家 佐藤 均 写真展「蒼 穹」
CO-CO PHOTO SALON(ココフォロサロン)
2024年02月21日(水) ~ 02月29日(木)
11:00 – 18:30 日曜日定休 (最終日 17:00閉場)
〒104-0061 東京都中央区銀座3丁目11-14
ルート銀座ビル 4F
TEL:03-3542-7110
公式HP:https://coco-ps.jp/exhibition/2023/11/1490/
Instagram:kinnsato.photo
復興庁 Fukushima Updates
- 釧路湿原国立公園連絡協議会 鶴見台
- 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
- タンチョウ観察センター
- 釧路市タンチョウヅル自然公園
- 阿寒国際ツルセンター グルス
※お出かけの際には、変更もありえるのでHPを確認してから出かけること。
TEXT:Takashi Ohtsuka