松下村塾で高杉晋作や伊藤博文など、後の大臣や大学創設者になる偉人らを育てた幕末の天才思想家、吉田松陰。東北旅行に行くのに藩から通行手形が降りず発行を待たずに脱藩という大罪を犯し、また外国の文明を学ぼうと死罪を覚悟で黒船に乗り込もうとして失敗、そして安政の大獄で死罪となり、30歳という若さでこの世を去った。その破天荒な行動の裏には「諸君、狂いたまえ。」という名言が示すように、常識にとらわれずに自分の信念に従い行動しろという並々ならぬ情熱が感じられる。
そんな吉田松陰が残した言葉にスポットを当て、リーダーシップ論などを説いたのが『覚悟の磨き方 ~超訳 吉田松陰~』(サンクチュアリ出版/税抜1500円)だ。本書では、リーダーシップ・行動心理学の研究者である池田貴将氏が、吉田松陰が残した176の言葉を“今のことば”、たとえば「運が向かない人の考え方」「いつでも死ねる生き方」「腹が据わっている人のおまじない」「ひとつのことに狂え」などに超訳しており、わかりやすいと好評。ビジネスマンを筆頭に若い世代からも支持を得て、発売後約1年半で25万部を突破した。
今回それを記念し、吉田松陰の命日である10月27日を前に、全国20~30代男女668名を対象に「吉田松陰に関するアンケート調査」を実施。松陰自身にまつわる事柄のほか、書籍のテーマ“覚悟”に関する設問で、松陰と現代人の関係性に迫った。
まず、「吉田松陰の享年が30歳だったことを知っているか?」という質問には、「知っている」という回答が53.6%と半数以上を占めた。
そして「吉田松陰の時代の“30歳”と現代の“30歳”ではどちらの方が経験を積めると思うか?」という質問には、「吉田松陰の時代」と答えた人が63.2%、「現代」と答えた人が16.5%であった(その他は、「どちらでもない」「わからない」)。
選ぶ仕事の幅や海外への行きやすさ、人との出会いやすさなど様々な“経験を積む”という上では、現代の方がはるかに自由度は高いはずだが、黒船来航や討幕運動など現代人には想像に及ばない激動の時代を生きた人間の方が、より経験値が高くなると考えるアラサー世代が多いようだ。
さらに、「吉田松陰のように“20代(30歳以下)で、命がけで日本を変えようとする人”は必要か?」という問いには、66.2%が「必要」と回答。ちなみに、過去20代で功績を残した偉人には、松下幸之助、手塚治虫、長嶋茂雄、北野武などが挙げられる。
そして「現代の著名人の中で、吉田松陰のように“常に覚悟を持って挑戦している人”は誰?」という質問には、1位「イチロー」、2位「本田圭佑」、3位「錦織圭」と世界を舞台に活躍しているスポーツ選手が上位を独占した。
また、「自分のことを一人前だと思うか?一人前だと思ったのは何歳の時か」という質問には、自分を一人前だと答えたのは全体の37.5%にとどまったが、一人前と答えた人の平均年齢は24.47歳と意外と若かった。
2015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』では、妹・文がヒロインとして取り上げられるなど、改めて脚光を浴びている吉田松陰。本書を通じ、時代を超え支持され続ける松陰のシンプルで力強い教えに触れることで、今やるべきことを見つけ、それを貫き通す覚悟ができるはずだ。
『覚悟の磨き方~超訳 吉田松陰~』は書店ほかAmazonやサンクチュアリ出版のwebサイトにて販売中。
覚悟の磨き方~超訳 吉田松陰~
http://www.sanctuarybooks.jp/shoin/