「戦略PR」という言葉が一般的になってはや数年が経とうとしている。PRというと未だ広告の延長だと考えている人も多く、この日本においてはまだその業態が理解されているとは言い難い状況だ。「PRってなに?」と問われて、答えられる人は果たしてどれくらいいるだろうか。
PR(パブリックリレーションズ)とは、アメリカで発展した、組織とその組織を取り巻く個人・集団・社会との関係を作り出すための考え方及び行動のあり方で、その範囲はまさに「なんでもあり」で多岐にわたっている。このPRの発展・高揚を目的として広く活動しているのが公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会(略称、日本PR協会)である。
この日本PR協会、PR業を主とする企業だけではなく、一般企業の広報部や個人も入会でき、協会を通して研修や交流など幅広い活動を行っている。
その一環として、3月19日、都内で「2013年度 PR業部会総会 PRパーソン ミーティング 2014」が開催された。会員限定のこのイベントでは、PR協会の活動報告のほか、トークセッションとして「嶋浩一郎×井口理 フロントランナーに聞く!これからのPRはどうなる?」も開催された。
嶋浩一郎氏は、博報堂ケトル代表取締役社長兼、NPO本屋大賞実行委員会理事であり、雑誌『ケトル』の編集長でもある。
一方、井口理氏は電通パブリックリレーションズ チーフPRプランナーであり、2012年カンヌ広告祭、スパイクスアジアPR部門審査員も務め、著書に『戦略PRの本質~実践のための5つの視点~』がある。
このPR業界のフロントランナーである二人のトークセッションはQ&A形式で進められ、PRに関する事例だけではなく、PR業界に対する辛辣な意見や一般企業に対するかなり突っ込んだ話も聞くことができた。
「PRは何でもできる」(嶋)、「成功事例を作り続けていくことが今必要」(井口)とお二方が言っているように、今後PRはさらに大手、中小企業問わずに広がり、一般化されていくと期待される。それを楽しみながら提供していくのがPR業の人々であると語っていたのが印象に残った。
日本PR協会は「広報PRアカデミー」や、「PRプランナー資格認定制度」を導入し、PRプランナーの育成、スキル向上を図っている。これから社会人としてスタートする人、ビジネスマンとしてスキルアップしたい人にとって、PRを理解することは必須となる時代が来ることは間違いない。
ちなみにあなたは「PRってなに?」の問いに答えられただろうか?
公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会
http://prsj.or.jp/