~樫尾俊雄賞(最優秀賞)に静岡県磐田市 佐藤 迪洋さんと青森県八戸市 知野 和仁さんが決定~
世界的に有名な発明王と言うと、米国のエジソンが有名だが、日本でも、そのエジソンに憧れて発明家を目指した人がいた。電子計算機で一躍有名になったカシオ計算機の創業者の一人「樫尾俊雄」その人だ。電子計算機というと、今では卓上電卓のような小型のものをイメージするが、今から半世紀上も前の電子計算機は約6畳程度の部屋の大きさがあった。それを小型化する挑戦をして、勉強机程度の大きさである世界初の小型純電気式計算機「14-A」を発明し、一緒に開発した兄弟と共にカシオ計算機を設立した。その後、世界初のオートカレンダー付きデジタル時計や様々な楽器の音が出せる電子キーボードなど数多くの発明品を世に送り出し、生涯で313件の特許(共同名義を含む)を取得するなど日本のエレクトロニクス産業の発展に寄与した人だ。
樫尾俊雄の偉業を後世に伝えるために一般財団法人樫尾俊雄記念財団が設立され、樫尾俊雄の私邸を樫尾俊雄発明記念館というミュージアムとして運営している。この記念館が主催する「樫尾俊雄発明アイディアコンテスト」は、子どもたちに「発明の喜びを体験してもらい、樫尾俊雄のような発明家を目指すきっかけにして欲しい」という思いから、小学生を対象にした「身の回りにあったらきっと人の役に立つ!」というオリジナルのアイディアを考えるコンテストだ。(https://hatsumeicontest.jp/contest/)
今回で4回目を迎えた発明アイディアコンテストに、個人や小学校のクラス、学習塾、少年少女発明クラブに通う将来の発明家を夢見る全国の小学生から174作品の応募があった。
今回の応募作品には、高学年の部では世相を反映した海洋ゴミといった身近にある環境問題や長寿社会にともなう健康問題などに関するアイディアが多く寄せられた。また、低学年の部では家族への思いやりや人と動物が仲良く共存するなどの多彩な着眼点による素晴らしいアイディアの作品が多数集った。
その中から1次・2次審査で選出された高学年5名、低学年5名の計10名がオンライン発表を行った。高学年の部で静岡県磐田市立磐田西小学校5年生の佐藤迪洋(さとうみちひろ)さんの【足ツボ発電】が、低学年の部で青森県八戸市立小中野小学校3年生の知野和仁(ちのかずひと)さんの【みんな安心ゴンドラ君】の2作品が見事、最優秀賞である樫尾俊雄賞を受賞した。
受賞に際して、佐藤さんは「この足ツボ発電というアイディアは、2年前に滝つぼ発電を足ツボ発電と僕が聞き間違えたのを、母が「足ツボ発電というのも面白いんじゃない?」という言葉を言ってくれて、足ツボについて可能性を調べたところ、本当にできるような気がしました。そしてこの2年間、妹と一緒に取材をして研究を続けたアイディアが形となりました。このアイディアの、きっかけを作ってくれた母と妹に感謝したいです。」と語りました。
知野さんは、このアイディアは、病気をしていたり、家で寝たきりの人がどこへでも出かけられたらいいなと思ったのと、2年前に大好きな「ひいおばあちゃん」が転んで足を折り車椅子生活になって会えないので会えるといいなと思い考えました。この人の役に立つアイディアが受賞できて嬉しいです。」と喜びを前面に出していました。
審査委員長である樫尾俊雄記念財団 理事長の樫尾 隆司氏は、「今回も、みなさんからいただいたアイディアは、どれも素晴らしいものばかりで、すごく人々の役に立つものですね。特にこの決勝に進まれたみなさんの作品は、本当にあったら世の中がよくなる、とても素晴らしいものばかりでした。みなさんがこのコンテストをきっかけにして、これからも世の中の役に立つもの、あったら喜ばれるものを考え続けてくれたらうれしいです。皆さんが自分の夢に向かってチャレンジして、突き進んでいくことを期待しています。」と将来の発明家を志す子どもたちにエールを送った。
日本だけでなく世界中の「身の回りにあったらきっと人の役に立つモノ」の素晴らしいアイディを今後も期待したい。
なお、今回受賞した作品は、東京都世田谷区の樫尾俊雄発明記念館で展示される。
第4回樫尾俊雄発明アイディアコンテスト結果発表 https://hatsumeicontest.jp/contest/result.html
子どもたちみんなが発明家 https://hatsumeicontest.jp/index.html
樫尾俊雄発明記念館 https://kashiotoshio.org/