3年ぶりに開催された「館林手筒花火大会」 10メートルもの迫力ある火柱が館林の夜に舞う

新型コロナウイルスの猛威が止まらない。感染力が強いと言われるオミクロン株の新系統「BA.5」による「第7波」が到来し、7月25日直近の1週間の平均新規感染者は2万4543人で前週から60%も増加した。さらに、WHO(世界保健機関)は27日、日本の新型コロナウイルスの新規感染者数が先週1週間で、世界で最も多い96万9068人で世界最多と発表した。

過去2年間、中止や自粛を余儀なくされていた祭りや花火大会が7月初旬には、久々に実施すると言う嬉しいニュースが届いていたが、ここにきて国内の新型コロナ感染者が1週間で90万人を超えた。政府は現時点では「まん延防止等重点措置」など新たな行動制限は行わない考えだが、観光業界が期待していた、新たなGoToトラベルの再開も当面見送りとなり、全国旅行支援は開始延期、県民割は自治体により異なるが8月31日までの延長となった。

そんなさ中、夏休み最初の土曜日である7月23日(土)に群馬県館林市の「館林城ゆめひろば」で「第23回 館林手筒花火大会」が3年ぶりに開催された。

手筒花火の火柱

当日の最高気温は全国5位の36.4度という猛暑のなか、久しぶりに開催される迫力満点の手筒花火を一目見ようと、地元だけでなく県外からも手筒花火会場に、新型コロナウイルス感染拡大予防対策の検温・手指消毒をした上で入場した約5000人が間隔をあけつつ観覧した。
夜になり暑さが一段落した所で、多田 館林市長の挨拶により手筒花火大会が始った。お披露目手筒花火の火柱が10メートルも上り夜空をオレンジ色に染めた時、手筒花火ファンの熱気と相まって会場の雰囲気がピークに達した。

1斤の手筒
手筒 火柱 ハネの瞬間

手筒花火の歴史は約400年と古く、愛知県の三河地方が発祥と言われている。手筒花火を手持ちで打上げ、火の粉を浴びるのに男意気を感じさせる伝統的な文化として、愛知で連綿と続いている熱い思いの花火だ。

火柱が舞う
炎の爆発

通常の花火は煙火業者による打上げだが、この手筒花火は地元神社の氏子達によって神社への奉納のため打上げでるもので、大きなものは長さ約1メートル、直径20センチほどの竹筒を荒縄で覆った筒の中に、黒色火薬を詰め込み、打上げる人が体に沿わせながら片腕で抱え、もう一方の腕で支え火柱を真上に吹き上げる花火だ。
愛知では、普段は他の仕事をしている人達が、この日のために身を清めて神様に奉納していると言う。

今回、館林の手筒花火は、1斤、3斤、5斤の3種類で、1斤・約800gの火薬が詰め込まれている。重量も筒を含めると1斤が2キロ、3斤が9キロ、5斤は12キロとずっしりと重い筒を操っている。

何故、三河の手筒花火が館林で行われるかと言うと、江戸時代の徳川四天王と言われた館林藩の初代藩主榊原 康政(さかきばら やすまさ)が天文17年(1548年)に三河国上野郷(現在の愛知県豊田市)に生まれた縁から、平成11年4月「つつじまつり」の関連イベントに豊橋在住の手筒花火伝承者 谷野泰弘(たにのやすひろ)氏に出演を依頼したのが契機となった。その後、地元の有志が豊橋を訪れ手筒花火放揚(ほうよう)を学習し、館林硝煙会が設立され、硝煙会所属の会員たちにより手筒花火が今日に伝えられている。

館林の手筒花火は、開始前に観客に向かって1斤から5斤までの手筒花火の点火、打上げる様を丁寧に説明してくれた。観客も食い入るように聞いており、やはり事前学習をすると本番の手順も理解できて楽しさも倍増するようだ。

手筒花火の上げ方 説明Ⅰ
手筒花火の上げ方 説明Ⅱ

来年も館林手筒花火大会が開催されるので、是非とも館林で迫力満点の手筒花火を目の前で見てみよう。
一度見たら、あまりの凄さに圧倒され手筒花火ファンになること間違いないだろう。 お出かけの際は、公式HPをチェックしておこう。

PHOTO&REPORT  @JTPA TAKASHI OHTSUKA

◆館林手筒花火大会
開催:7月の土曜日を予定(※詳細はHPをチェックの事)
会場:館林城ゆめひろば
  群馬県館林市城町1-1
交通:東北自動車道館林ICから約10分、北関東自動車道佐野田沼ICから約30分
   東武伊勢崎線館林駅から徒歩約15分
   駐車場:周辺に公園の大型駐車場あり
    問合せ:館林まつり運営委員会(商工課内)
       TEL:0276-47-5148
https://www.city.tatebayashi.gunma.jp/s059/kanko/050/20220705172711.html

◆手筒花火
 豊橋市 手筒花火 https://www.city.toyohashi.lg.jp/33975.htm

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