第69回静岡まつり~駿府大御所時代絵巻~」 駿府鉄砲集 火縄銃演武  桜に向かって撃つ火縄銃が凄い

「静岡まつり」では、駿府鉄砲衆 火縄銃演武という古式 火縄銃の演武を見る事ができる。火縄銃を構えて一斉に射撃をする姿は、戦国時代の鉄砲隊を彷彿させるほどの迫力だ。

駿府鉄砲衆 火縄銃演武

この火縄銃の演武を行うのは、今年で26年の歴史をもち富士市富士川で活動している駿府鉄砲衆だ。 白い道着、紺の袴、赤い陣羽織、白鉢巻きという凜々しい姿で演武を行っている。

演武の内容は、立放し、腰放し、中放し(両膝立ち)、片膝放し、膝台放し、居放し(正座)の6種類の高低差を付けて射撃を行う姿勢を基本として、射手の並び方、玉込め(火薬の充填)姿勢、射撃方法(一斉射ち、釣瓶射ち)などの実演をおこなうため観客が十分楽しめる演武となっている。 

射撃の瞬間 火を噴く
玉込め(火薬の充填)

2年前から、この駿府鉄砲集に東京から入会した唯一の女性「山本裕子」さんも、この演武の練習に励んでいる。初めての人でも、手順通りの型を覚えて練習を重ねた後に、警察から許可を受けた会場で火薬を込めてから、初めて火縄銃の実践ができるのだそうだ。何度も何度も型と手順を覚えてから実際に火縄銃の演武が行われるという事だ。

唯一の女性射撃手 山本裕子さん

「私は静岡まつりでの演武は、今回で2回目となります。昨年は初めてで、夢中で演武しましたが、今回は少し余裕をもって演武ができました。」まさに、絶え間ない努力の積み重ねをした成果と言えるだろう。

射撃姿が凜々しい山本さん

火縄銃の演武は国内の様々な会場で行われている。火縄銃の演武団体は、全国に40団体、1000人ほどの演武者がいる。駿府古式炮術研究会には、15名の会員がおり静岡まつり以外に高天神城や秋には長野県の松本城など、日本全国で演武を行うために出かけている。今年は東京の武道館で行われた武道大会に、この会から選ばれた熟練の4名が参加したという。

火縄銃について話を聞くと、「素材は鉄の棒を叩いて叩いて精巧に製作され、頑丈に作られています。この火縄銃は昔、堺の職人さんが江戸時代に製作したものですが、今でも使えています。手入れも怠らずにきちっとしているので、ほとんど当時のままです。」

職人の銘(名)が入った銃身
火縄銃

そして、この火縄銃を分解して見せてくれ、銃身には堺の職人の銘(名)が入っていた。職人技によるものは、いつの時代でも優れたものだと感心させられた。

「火縄銃というのは、合理的にでてきており、引き金を引くと火薬が炸裂し、その反動で右側へ自然と抜けるようにできている。現代の銃は、肩で支えているため、反動で肩にきてしまうが火縄銃は肩に来ないので扱いやすい。これは昔の人の知恵でそうなったのだ。」と火縄銃について語ってくれた。 毎年桜の季節に開催される静岡まつりで「駿府鉄砲衆 火縄銃演武」を是非、見に来て欲しい。火縄銃の轟音と共に繰り広げられる演武によって感動すること間違い無いだろう。(公式HPを確認してから出かけよう)

Photo&Report   @JTPA   TAKASHI  OHTSUKA

駿府古式炮術研究会の皆さん
駿府鉄砲衆 火縄銃演武

第69回静岡まつり ~駿府大御所時代絵巻~  概要

◆期間:2025年4月4日(金)~4月6日(日)

◆会場:駿府城会場(駿府城公園)、 青葉会場(青葉シンボルロード)ほか

◆料金:見学無料

◆主催:静岡まつり実行委員会

◆問い合わせ:054-221-0182(静岡まつり実行委員会事務局) 

◆WEBサイト:     https://shizuokamatsuri.com/

※この情報は2025年「第69回静岡まつり」のもので、来年度の概要は年が明けてからチェックしよう。

駿府鉄砲衆の火縄銃演  https://shizuokamatsuri.com/event/matchlock/

日本の武器兵器     https://www.日本の武器兵器.jp/part1/archives/51

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