霞ヶ浦を舞台に夏から秋にかけて行われる「帆引き船」の第23回霞ヶ浦帆引き船フォトコンテストの表彰式が2月23(日)に霞ヶ浦コミュニティセンターで行われた。
全応募数380作品の中から審査委員長「立木寛彦」氏 他6名の審査員により厳正なる審査の結果36作品が選出され、最優秀賞及び審査員特別賞として
最優秀賞/茨城県知事賞「湖上の勇姿」小澤 巸邦氏 、最優秀賞/かすみがうら市長賞 「継承」 関根 樹氏 、最優秀賞/かすみがうら市教育長賞/コカコーラ賞「向かいがわ」益子 日菜乃氏 、審査員特別賞/霞ヶ浦河川事務所長賞「まるで冒険のよう」名古屋 正紀氏 の4作品が選ばれた。
この帆引き船は平成13年に休暇村・読売新聞社共催の『訪ねてみたい20世紀に残す日本の原風景遺産100選』に茨城県で唯一霞ヶ浦の帆引き船が選ばれ、この年に霞ヶ浦帆引き船・帆引き網漁法保存会が発足したのだという。

帆引き船は、明治13年(1880)、旧霞ヶ浦町の漁師であった折本良平によってシラウオ漁やワカサギ漁を目的として考案された。大きく広がる帆に受ける風の力を推力として進むこの帆引き船は、約100年もの間、霞ヶ浦の漁業の花形であったが、昭和40年頃からトロール船(底引き網漁の一種)にとって替わられ姿を消した。
この帆引き船を昭和46年に観光帆引き船として復活させ、現在では特別採捕許可を受けて、かすみがうら市、行方市、土浦市の8艘(そう)がワカサギ漁の時期に操業を行っている。
また、霞ヶ浦漁業の歴史を知る上で重要な文化的遺産となることから平成30年に、この「霞ヶ浦の帆引漁業の技術」が国選択無形民俗文化財に指定された。現在では、観光帆引き船を遊覧船などからの見学や撮影用の船から撮影する事ができる。
その時々の天候で、帆引き船の操業が中止となることもあるが、一度は、間近で勇壮な姿を見てみるのも良いだろう。
今回受賞した方々の喜びの声:
最優秀賞/茨城県知事賞 「湖上の勇姿」小澤 巸邦氏
カメラ歴5年です。これまでに4回入賞しており、最優秀賞を受賞できてとても嬉しいです。この写真を撮影した日は天候があまり良くなかったのですが、背景に映り込む雲を意識して撮ったのがこの作品でうまく撮れたと思っています。

最優秀賞/かすみがうら市長賞 「継承」関根 樹氏
今回初めての応募で、このような賞をいただき大変嬉しく思っているのと、びっくりしています。今回の作品はお祭りをテーマに撮影しました。現在では、祇園祭りが少なくなっているなかで、この神輿を担ぐ人たちの熱意や意気込みを感じそれを表現しました.

最優秀賞/かすみがうら市教育長賞/コカコーラ賞 「向かいがわ」益子 日菜乃氏
今回初めての応募で、このような素晴らしい賞を受賞できて大変うれしいです。自分の中では、霞ヶ浦をテーマとして、タイトルを静寂と鳥というのをイメージしました。あまりにも鳥が主役になりすぎちゃうかなと思って、鳥を左に持ってきて右側にもっと広い空間を見せて霞ヶ浦の雄大さを映しだしました。霞ヶ浦の向こうを、タイトルにしてうまくバランスが取れたと思っています。

審査員特別賞/霞ヶ浦河川事務所長賞 「まるで冒険のよう」名古屋 正紀氏
6年前からこのコンテストに応募しています。昨年は最優秀賞/茨城県知事賞を受賞し 今回も審査員特別賞を受賞できてとても嬉しく思っています。
撮影当日は、非常に悪天候で目まぐるしく気候が変わり、雲の切れ間から太陽の光が一瞬入って、帆引き船の帆が明るくなった所を、すかさずシャッターを切りました。取り終わった後で、なんだか冒険をしているような感じでした。

第1回目からフォトコンテストの審査委員長を務める立木寛彦氏(日本旅行写真家協会 会長、JPS会員)は、『帆引き船フォトコンテストへは、皆さんの自慢の作品が毎年多数集まっています。今回の作品応募も380点にものぼり、審査員の方々も審査が大変でした。最優秀賞である「湖上の勇姿」という作品は、満帆に張られた帆を余すこと無く表現しバックの雲との調和がとても素晴らしです。
これから応募されようとしている方々も、今回入賞された方々の素晴らしい写真を撮って、霞ヶ浦帆引き船フォトコンテストに応募してください。』


次回、第24回霞ヶ浦帆引き船フォトコンテストの作品募集が行われるので、是非とも、この優雅で迫力のある帆引き船を撮影し、コンテストにチャレンジしてみよう。
観光帆引き船の乗船については、申し込みが必要なので下記の公式HPから申し込みをすること。
申し込みをしないと乗船できないので、注意して欲しい。さらに、天候や風により出船中止となることもあるので併せて確認して欲しい。
PHOTO&TEXT @JTPA TAKASHI OHTSUKA
帆引き船乗船 https://www.ibarakiguide.jp/special/kasumigaura_hobikisen.html
※HP内の帆引lき船運行状況は、2024年度のものだが2025年も運行予定なのでHPをチェックすること。
問い合わせ先
土浦市観光協会 TEL029-824-2810 https://www.tsuchiura-kankou.jp/
かすみがうら市観光協会 TEL029-897-1111 http://www.kasumigaura-kankou.jp/
行方市まちづくり推進機構 TEL0299-57-6621 http://www.namekan.jp/